「家族のような絆」5年ぶりに参加した町内会チーム“梅乃連” 地域でつなぐ“よさこい祭り”
5年ぶりによさこい祭りに参加した町内会チーム「梅乃連」。競演場の運営もある中、踊り子も「家族のよう」と話すほどの絆で「よさこいのある梅ノ辻の姿」をつなぎました。
8月5日。高知市の体育館で練習を行っていたのは梅ノ辻町内会のチーム「梅乃連」です。
新型コロナの5類移行で多くのチームが復活した2023年、梅乃連は子どもや高齢者の健康を考慮し、参加を断念。5年ぶりの復活です。第1回の祭りから参加し、多い時には120人以上の踊り子がいた梅乃連ですが、就職や結婚で地元を離れる踊り子も少なくありません。
それでも夏には、たくさんの踊り子が、家族や子どもを連れてこうして高知に戻ってきます。
(北村真喜恵さん)
「何かをするというと町内会は家族みたいなもんで、幸せですよね。普通は、家にいても隣近所を知らない、顔も分からない状態ですけれど、この辺の人は、どこに行ってもおはよう・こんにちは・こんばんは、っていう挨拶ができる仲良しさんですね」
(吉岡利恵さん)
「私は生まれが梅ノ辻で、今は結婚して別にいるんですけれど、みんなで手をつないでいる感じがして、ここにずっといたいと思っています」
本番当日。踊り子たちが、続々と集まってきました。5年ぶりのテーマは「再宴」。祭りで再び出会えた「縁」や地域のみんなとの輪「円」、楽しい「宴」といった意味を込めました。
(梅乃連 踊り子)
「5年ぶりの復活ということで踊り切れるか不安な部分はあるんですけれど、みんな一生懸命、練習してきたので、楽しく良い思い出になれるように、踊りたいと思います」
(梅乃連 踊り子)
「楽しい気持ち」
(梅乃連 踊り子)
「新しい人もいて、僕らもずっと踊っているんで、おなじみのメンバーが集まって、また『再宴』ということで、新たに縁を広げていこうかな」
梅ノ辻町内会ではチームだけでなく、競演場も運営しています。2024年は、本番2日前、巨大地震注意の南海トラフ地震臨時情報が発表されたことから、踊り子、観客の安全対策も求められました。町内会は事前に避難経路を確認したり、競演場を訪れた各チームに避難場所を説明するなど、対応に追われました。
「競演場の開始を宣言します。よろしくお願いします」
(踊り子たち)
「ただいまー」
(観客)
「おかえりー」
「それでは笑顔で行くでー!構え!」
1チーム目はもちろん、梅乃連。5年ぶりにまちに戻ってきた踊り子たちは、鶴のような大きな羽を広げ、美しく可憐な踊りを披露しました。
(観客)
「友達が踊っているんですよ。梅乃連でセンターで2人。最高でした」
(観客)
「すごく盛り上がってますね。妻も(梅乃連で)踊っているので、(ほかの会場でも)見に行けたらいいな」
(梅乃連 踊り子)
「去年は(踊りを)見ているだけで、はやく踊りたくて本当に楽しかったです」
(インストラクター 嶋崎碧さん)
「再出発、再復帰にふさわしい踊りだったなと思います。とっても楽しかったです。最高ハッピーっていう感じです」
2023年、町内会のよさこい祭りの実行委員長になった服部一浩(はっとり・かずひろ)さん。20年以上担当した前任者から世代交代し、チームと競演場、2つの運営は、2024年が初めてです。
(梅ノ辻町内会よさこい祭り実行委員会 服部一浩さん)
「最初は準備の時は、どうなるか5年ぶりで心配やったですけれど、始まってみんながこうやって元気にスタートして、本当にほっとしています」
炎天下の競演場、『梅』の名前にちなんで踊り子に「梅」を提供。踊り子たちはしっかり塩分を補給して、次の会場に向かいます。
帯屋町演舞場でも復活した姿を大勢の観客に披露。4歳から71歳までおよそ80人の踊り子が町内会チームの絆を見せました。
(梅乃連 踊り子)
「帯屋町けっこう長くて大変だったけれど、精一杯踊ることができて良かったです」
「めちゃ楽しかったです」
(梅乃連 踊り子)
「若者向けの踊りなので、ついていくのがやっとですけれど、それでも楽しいです」
チームとして。競演場として。町内会が一つになって縁をつなぎながら守っていくのは、「よさこいのある梅ノ辻の姿」です。
(インストラクター 嶋崎碧さん)
「これからも梅乃連で踊りたいって言ってくれる踊り子の皆さんと、梅乃連が見たい観客の皆さんの期待に応えられるように、いくつになっても何年たっても、『ただいま』『おかえり』って言い合えるチーム作りをしていきたい」