考える楽しさと繋がる面白さ『義妹生活』10話の感想。【アニメ感想・考察】

鍵問題はしてやられたか。やけに若くて派手なおかん、かと思ったらお水なのね。それに対比すると家の中の照明がやけに薄暗いのがまた。どうも陰鬱で…

映像の表現と人物の心理を結び付けた解釈、興味深く拝見しました。あまりその辺り気にせず観ていたので改めて観返したのですが、浅村の心理についてはこれまでに実母へのトラウマが強いことが描かれていて、まだ綾瀬母について素直に受け入れ兼ねているのに綾瀬は浅村父と先んじて仲良くなっていることに対する焦りという解釈も可能ですね。綾瀬母が「結んだ縁がもったいない」と言ったという浅村父の言葉を聞いて浅村が綾瀬母の心情を知りはっとする顔が描かれているので、自分のトラウマを理由に綾瀬母といつまでも距離を取っていてはいけないと思った浅村が自転車で坂を登りながら他の家族のことを考えたりもして、お母さんと心の中で言ってみた、という描写に思えました（浅村の息が切れていないので自転車を漕ぎながら実際に口に出したのではなさそう）。ので坂は浅村のトラウマの暗喩かと思いましたが確信はないです。

綾瀬が浅村と三者面談について話す夕食のシーンも深く考えて観ていなかったので、動画での考察を踏まえて観直しましたが、綾瀬の態度についてはこれまでは綾瀬の中では母親が全てに優先していたのが今では浅村のトラウマや浅村に対する恋情についても同じくらい深く考えているので、綾瀬母の浅村に母親と認めてもらいたいという気持ちを伝えることに遠慮があったのではと感じました。ふたりで並んで洗い物をするシーンでは実際の二人より照明で出来たふたりの腕の影がすごく近く描かれていたことが印象的でした。

鍵の行方については本編中でははっきり描かれていなかったなと思っていたので、オープニングについての指摘は参考になりました。とりあえず本編中に綾瀬が今はもう日記を書いていないことを示唆していそうな箇所はあって、2回ある綾瀬の回想の1度目、綾瀬母の言葉を思い出すシーンはこれまで浅村の回想シーンに使われていたタッチ、2度目のプールを思い出すシーンは目立ったエフェクトなし(こちらはもしかしたら綾瀬の回想という訳ではないのかも)となっていました。これまでの綾瀬の回想は古い映像のように加工されていたので、それはどうも日記を読み返している時の表現で、今回はそれとははっきり変えてありましたね。

今回もこちらの動画を拝見してから観返すといろいろと感じるところが増えて楽しかったです。ありがとうございます。