【大谷トラウト物語】鳥肌が立つほどの感動秘話〜決勝戦のドラマには２人のドラマがあった〜【海外の反応】

85

「すべての野球界の人々が切望してきた夢の対決」

アメリカESPNはこの夢の対決をドラマチックに伝えました。
「夢の対決が実現した。9回。2アウト。1点差。地球上で最高の選手、大谷が日本のマウンドにいた。彼のチームメートで良き友人のトラウトが米国チームで打席に立った。フルカウントとなった。大谷は厳しいスライダーを解き放った。トラウトはそれを空振りした。そして、それとともに侍ジャパンがWBCを制した。緊迫し、不安感で一杯の試合は、物語のような終焉で、日本はローンデポ・パークの3万6058人の観客の前で米国に3－2で勝ち、WBCをパーフェクトで締めた。強力な米国の攻撃陣を制した日本が9回に『USA！』の掛け声を送る米国ファンの前で、2人のエンゼルスの選手同士による最高の対戦に勝利を収めた」

まさに夢の対決となりましたね。
WBC決勝戦日本1点リードで迎えた９回、アメリカ最後の打者として出てきたのはMLBのスーパースター、マイク・トラウト選手でした。マウンドには日本のエース、そしてトラウト選手の同僚である大谷翔平選手。優勝のかかった大一番で世界が認めるスーパースターでチームメイト対決が生まれました。
こんなストーリーを誰が予想できたでしょうか。

この決勝戦での対決をふまえて、「ピッチングニンジャ」の愛称で知られる投球分析家のロブ・フリードマン氏はこのようにコメントしました。

「彼は世界最高の野球選手の地位を確固たるものにしたと思う」
「あのようなステージでみんな彼を見たわけだが、祝福している彼の姿を見た私の最初の感想は『これが世界最高の野球選手だ』というものだった。野球にとって本当に素晴らしい選手。みんな彼が最高のオーラをまとっていたことに気づいたと思う。彼が明らかに最高の選手だとね」

さらに米スポーツ専門局「FOXスポーツ」のアナリスト、ベン・バーランダー氏もこの対決についてこのように言及しました。

「あの場面は文字通り、球界最高の選手が手渡された瞬間のようだった」

トラウトが「最高の選手」であるという共通認識が10年間にわたってあり、今でもその実力は健在であると強調しながらも、あの瞬間は象徴的だったと語ってくれました。

また決勝戦後のフィールド内で大谷選手が受けたインタビューは、対戦した相手国へのリスペクトがあり、また全世界での野球の発展に関するコメントが並んでおり、海外の野球ファンからも大きな反響がありました。

大谷選手は中継局の米ＦＯＸスポーツのインタビューを受け、大リーグのレジェンド、デビッド・オルティス氏から「兄弟のようなトラウト選手になぜあんなエグい球を投げたんだい」と問われると、このように回答しています。

「正直、誰よりも彼の凄さというか、本当にネクストから毎年のように見てますし、本当にチームメートが一番彼の凄さを、人間性も含めて、どれだけ素晴らしいかを分かっている。本当に自分のベストを超えるような球を投げないと抑えられないバッターだと思って、そういう気持ちでいきました」

誰よりもトラウト選手の凄さを知る大谷選手だからこそ、全身全霊をかけて抑えに行ったということなのでしょうね。トラウト選手との対戦を経て大谷選手も一皮向けたのではないでしょうか。

この動画ではWBC決勝戦で夢の対決を果たした二人のスーパープレーヤーの物語を紹介していきます。ぜひ最後までごご覧ください。この動画がよかったら高評価・チャンネル登録のほど、よろしくお願いします。

◆大谷とトラウトの幼少期
WBC決勝戦での対決が世界中で注目されたスーパースターの二人はどのような経緯でプロの道に足を踏み入れたのでしょうか。トラウト選手が生まれたのは1991年8月7日。大谷選手が生まれたのは1994年7月5日なので、2人は3つ違いになります。大谷選手が今年で29歳、トラウト選手が今年で32歳となります。

WBCの決勝の舞台で相対するまで、どのような人生を送ってきたのでしょうか？

ここでは二人の幼少期から高校時代までを振り返っていきます。

①大谷選手の幼少期
大谷選手は岩手県水沢市。社会人野球の選手だった父親・徹さんとバドミントン選手の母親・加代子さんのもとに、第三子として生まれました。バドミントンと水泳で基礎体力を養い、小学校3年生の時に、水沢リトルリーグで野球を始めます。大谷選手は持ち前の運動能力でメキメキと頭角を表し、小学校5年生で110キロを記録するなど、抜群のポテンシャルを見せていました。

大谷選手が少年時代に憧れた野球選手は、松井秀喜氏とダルビッシュ有選手でした。小・中と全国大会を経験した大谷選手は、岩手県の強豪・花巻東高校に進学します。
2年生の春には最速151キロを記録し、「みちのくのダルビッシュ」として注目を集めました。3年生の夏の岩手大会準決勝でアマチュア史上初となる160キロを計測し、話題の中心になりました。

②トラウト選手の幼少期
一方、トラウト選手は、ニュージャージー州のバインランドで生まれ、同州ミルビルで育ちました。父親のジェフさんはツインズ傘下でプレーした元マイナーリーガーでした。父親の影響もあり、幼少期は筋金入りのフィリーズファンだったというトラウト少年。

2008年のワールドシリーズ優勝パレードにも参加するほど、熱狂的なフィリーズファンとして少年時代を過ごしました。

トラウト選手が野球を始めたのは、4歳の頃。父親の影響で小さい頃からバットを持ち、公園でバッティング練習をしていたそうです。トラウト選手が憧れていたのはニューヨーク・ヤンキースでキャプテンとして活躍したデレック・ジーター選手。
ジーター選手の影響もあり、主にショートのポジションを守っていたといいます。
トラウトファミリーの隣人であるクレイグ・アトキンソンさんはトラウト選手の幼少期のエピソードについて次のように語っています。
「毎日、夕食の時間になると外から”キーン！キーン！”と音がするんだ。外を見てみると5歳の男の子が何時間もボールを打つ姿があったんだ」
また、リトルリーグのコーチを務めていたケビン・カバナさんは次のように語っています。
「わずか9歳ながら、中学生のリーグの選手達よりも技術が優れていた。9歳にして豪快なホームランを何本も打つんだ。しかも１塁への到達スピードは４秒以内で走っていたよ」
　
小さい頃から圧倒的な身体能力で周りとの圧倒的な差をつけていたというトラウト選手。
そんなトラウト選手はミルビル高校時代に進み、バスケットボールも掛け持ちしながら野球を続けました。主にショートを守っていたものの、2年生の時には投手として18奪三振・ノーヒットノーランを達成するなど、チームの中心選手として活躍しました。高校3年の歳に当たる2008年にはなんと、81打席で18本塁打、打率.531、20盗塁という驚異的なバッティング記録を残し、ニュージャージー州で「伝説」となりました。

高校時代、トラウト選手を指導したロイ・ハレンベックさんは次の様に語ります。
「彼は誰よりも謙虚で礼儀正しい子供であり、今まで出会ってきた誰よりも競争心の高い子供でした。幼少期からの並外れた努力のおかげで、彼は高校入団1日目にして、誰よりも才能のある選手でした。また、彼は他の選手とは異なり、どんなに才能があってももっとよくなるために学び、練習ではストイックに自分を追い込んでいました。天才的な野球IQと、それから生み出される攻撃力・守備力はどんなスカウトの目にも明らかでした。ニュージャージー州では彼を知らない人はいないほど有名になったのです。」

ハレンベックさんがそう語るように、トラウト選手は高校では彼の名前を知らない人がいないほど、伝説的な存在になりました。そんな影響もあって、ミルビル高校はトラウト選手の高校時代の背番号だった「1番」を永久欠番にしようとしていたと言います。トラウト選手の思いもあって、2012年からはミルビル高校のキャプテン番号として今でも引き継がれていますが、高校時代からトラウト選手の活躍や存在が特別だったことを教えてくれるエピソードですね。

現在世界のトップレベルである大谷選手とトラウト選手は幼少期からそのポテンシャルを見せつけていたようですね。特に二人とも高校時代では、目を惹く活躍がありましたね。学生時代からの期待通りここまで成長を続けている二人には我々には見えない、弛まない努力があるのでしょう。

次はトラウト選手の人柄を紹介していきます。